業務の生産性向上に関連する情報をお届けするシゴトLOVERS。
生産性に直結する要素の一つとして、今回取り上げたいテーマがオフィス環境についてである。
特に成長のスピードが早いスタートアップ企業については、外部からの新規調達などによって採用を強化し、従業員数が一気に増加する傾向が見られる。そこで当然必要になってくるのが、手狭になったオフィスの移転だ。
今回は、注目度の高いスタートアップ企業が2013年に実施したオフィス移転状況をまとめてみることにした。
6月:ランサーズ(渋谷)
まずは、昨今注目を集めるクラウドソーシング事業を展開し、時間と場所に捉われない「新しい働き方」を浸透させているランサーズ株式会社から。
2013年5月にグロービス・キャピタル・パートナーズおよびGMO VenturePartners(GCP)から総額約3億円の資金調達を行い、翌月にはこれまで本社があった鎌倉から渋谷へオフィスを移転した。
新オフィスは渋谷駅新南口にほど近いビルの7階にある。
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フロアは約400平米(120坪前後)とのこと。
移転前は社員数が30名前後という情報もあったが、調達をきっかけに積極的な採用活動を展開。急速に人員が増加していると予想される。
8月:freee(赤羽橋)
クラウド会計ソフトを展開するfreeeは、先日サービス開始からわずか8ヶ月で登録事業者数が2万件を突破したことが発表されたばかりの、勢いに乗る注目スタートアップである。
2013年7月にはインフィニティ・ベンチャーズLLPおよびDCMから総額2億7000万円の資金調達を実施。翌月にはオフィスを赤羽橋に移転した。
オフィスの最寄りは赤羽橋駅だが、麻布十番からも徒歩圏内の距離にある。
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オフィスには卓球台やパターゴルフがあり、遊び心のある様子が伺える。
設立当初は3名で開始、現在では社員数が10数人とのこと。
10月:スマートニュース(渋谷)
続いて、スマートフォン向けニュースアプリ「SmartNews」を展開するスマートニュース株式会社。チャンネルプラスと呼ばれる提携媒体社数が順調に増加中で、その購読者数も300万人を突破と急速にユーザー数を伸ばしている。
以前は株式会社ゴクロという社名だったが、2013年の8月にグロービス・キャピタル・パートナーズから4億2000万円を調達。その後、スマートニュース株式会社に社名変更を行うとともに、10月に本社を渋谷の桜丘エリアに移転させている。
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資金調達時の社員数は6名とのことだったが、1年以内に40名体制まで拡大させることを目指しているそうだ。バーカウンターがあったり、ブランド家具が置かれていたりと、何ともおしゃれなオフィス環境である。
12月:nanapi(渋谷)
月間6,000万PV、1200万ユーザーの規模を誇るハウツーサイト「nanapi」を運営する株式会社nanapiも最近、資金調達後にオフィスを移転したスタートアップの一つ。
2013年7月にKDDIおよびグロービス・キャピタル・パートナーズから総額約2億7千万円の資金調達を実施。ちなみに2010年にもグロービスから3億3千万円を調達している。オフィスはこの12月に代々木から渋谷の道玄坂エリアに移転したばかりだ。
最近ではQ&Aなど新規サービスを投入しているnanapi社。事業に成長に伴う従業員数の拡大が移転理由だと考えられるが、こちらのテナントは100坪強の広さと推測。
終わりに
やはり資金調達とオフィス移転というのは密接に関係するようだ。
それもそのはず、調達の目的の多くは「人材採用費」に充てられるからである。
ちなみに、上記の他にもビズリーチ(及びルクサ)が4月に渋谷クロスタワーへ移転するなど、スタートアップ・ネットベンチャー企業の渋谷エリアへの移転が目立つように感じる。
なお、渋谷駅周辺のオフィス賃料相場は約18,000円/坪とのこと。
最初はマンションの一室などから創業した企業も多いと聞く。
オフィス移転はまさに企業の成長の証とも言えるだろう。
今回はオフィス移転状況について調査したが、別の機会に改めて「業務の効率化」につながるオフィスのレイアウト等についてもまとめていきたい。
(編集・執筆:サムライト)