インタビュー

サイバーエージェント流「感動を生む営業」とは − 近田哲昌氏インタビュー後編


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「明日のシゴトが楽しくなる」をテーマに様々な仕事術をお伝えする「シゴトLOVERS」。

先日公開して好評を頂いたインタビュー記事、

「部下の意識を変えるならリーダー自身がまず変われ」
サイバーエージェント近田哲昌氏に聞く、熱狂する部下の育て方

の後編として引き続き、
こうして、チームは熱狂し始めた。」の著者である近田哲昌氏にインタビューを行った。

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今回のテーマは「感動を生む営業」について。
サイバーエージェントでダントツの営業チームを作り上げた近田氏による、営業職の方必見の内容です。

「顧客満足」で営業まで満足するな!

私が「顧客満足」からもう一歩踏み込んで部下に要求しているのは、
「顧客感動を目指せ!」ということです。

顧客感動を生むためには、最低限、「クライアントがやりたいこと」を実現する姿勢に加えて、クライアントがまだ気づいていない「クライアントがやるべきこと」まで提案する必要があります。
(著書より引用)

ーー 著書の中で書かれていた「顧客感動」というキーワードが印象的だったのですが、具体的な顧客感動の定義はありますか?また、営業が顧客感動を作るため何をすべきでしょうか?

定義については、

顧客が言語化できていないことを提示できたとき

だと考えています。

クライアントに言われたことをただやっているだけでは感動は起きません。クライアントの課題が言語化できていないときに、それを伝えてあげることで感動が生まれるのだと思っています。

例えば、クライアントのニーズとしてサービスの新規会員を獲得したいという場合、営業は「新規会員獲得に貢献する提案内容」を考えるだけでは足りません。クライアントの最終的な課題を考えるようにすべきです。それが売上の拡大であれば、「新規会員の獲得よりも既存の会員のリピート率を上げた方が効果が高いと思われます。なぜならば〜」と、クライアントの表面的な課題に対しての解決策だけでなく、先方も気づいていない課題設定を行うことが求められます。

営業がクライアントの最終的な目的にまで踏み込んだ話をすることによって、「この人には任せられるな」と思ってもらいやすくなります。そうすると、クライアント側から出てくる話も変わってくるのです。顧客が悩んでいるときに「あの営業さんに聞いてみよう」と思い出してもらえる関係を構築するように心がけるべきだと思いますね。

また、商品ありきでは考えずに「クライアントの課題解決の結果として商品がある」という考えを持つ様にします。そのため、時には他社の商品を提案の選択肢に入れることもありますよ。顧客に信頼される営業とは、やはり他社商品も含めて様々な知識を備えた人ですから。

ーー 一方で、「言ったことを正確にこなして欲しい」というタイプのクライアントもいると思います。そういうクライアントの場合には、どのように顧客感動を作るべきでしょうか?

確かにそういったクライアントもいます。
例えばその場合は、提案の期限が1週間と言われていたものを3日で提出したりするなど、期待を上回るような行動を心がけるようにしています。

ーー ではマネージャーやリーダーは、この顧客感動の重要性を現場のメンバーに対してどのよう伝えているのでしょうか?

マネージャー自身の判断軸が非常に重要です。
判断軸のピントが顧客感動にちゃんとあっているか、そして具体的に行動でそれを示せているかが大切です。

例えば営業がミスをしてしまったとき、営業から補填対応の相談を受けたとします。口では「顧客感動だ」と言っているのに、営業から相談された際に「補填なんてするな」と言っていては、顧客感動を目指しているマネージャーだと現場のメンバーに思ってもらえないでしょう。

ーー なるほど。ちなみに伺いたいのですが、顧客感動というキーワードはどのように思いついたのでしょうか?

営業としてクライアントの信頼を得るためには、顧客満足だけでは足りないと感じていたんです。満足って言われたことをやっただけですから。自分はもっとクライアントのためにやりたいと。それで、顧客満足の上っていったい何だろうと考えていたら、この「顧客感動」という言葉が出てきた訳です。

「クロージング」の意味を正しく理解する

クロージングとは、「クライアントから受注をもぎ取ること」ではなく、
「クライアントが意思決定しやすい環境を用意すること」

−やる、やらないを決めるのはあくまでクライアント
−営業の仕事は、クライアントに決めてもらう環境を用意すること
(著書より引用)

ーー 続いて、営業にとって非常に重要なクロージングについてお伺いしたいと思います。クロージングの方法として重視しているポイントや考え方について聞かせてください。

そうですね。もちろんクライアントの期待に応えられる提案内容であるならば、それは営業としてやるべきだと思います。ただし自分たちの都合ありきの「お願い営業」だけは絶対にダメ。クライアントにとってのメリットが無いのに無理やり買ってもらおうとしない事です。

これは先ほどお伝えした顧客感動に通じる話ですが、部下から「この案件をねじ込みます」という相談を受けた場合に、マネージャーやリーダーは「そんなことしてなくて良い」と伝えるべきでしょう。

それと、数字欲しさにウソをつくことは絶対にあってはならないと部下にも常に言っています。その提案で効果が出るのか分からないのに「効果あります!」とは言って欲しくないですね。

買うか買わないかを決めるのはあくまでクライアントですから、本当のクロージングとはクライアントが決断しやすいような材料を提供することや、決断してもらうために提案内容を整理して、複数のプランを提示すること。つまり少しでも受注の確率を高めるためのアクションこそがクロージングのためにすべきことなのです。

この考え方が認識できれば、営業メンバーの進捗報告などで良く聞かれるような、

「◯◯社の案件が決まれば今月の目標を達成できるので、何とか押し込みます」

という特定の案件に依存する報告は無くなるはず。そうでは無くて、

「◯◯社の案件ですが、受注確度を高めるために追加の選択肢を提出しました。」

のような内容に変わっていくはずです。

終わりに

2013-11-13 16.16.29 (1)

近田氏(左)と当メディアを運営するジェネストリーム代表の秋貞(右:サイバー・バズ出身)

(秋貞) 本日はありがとうございました!
近田さんの本を読んで、サイバー・バズ在籍時にもっと色々教えてもらえば良かったな〜と感じました(笑)。サイバー・バズに途中から近田さんが来られて、直接の上司という訳では無かったのでお話を聞ける機会がそんなに多く無かったですし。

近田さんはアツい人だというイメージを持っていたんですけど、課題を客観的に把握する方法や、課題を因数分解していく手法など、冷静に物事を判断する部分もバランス良く持たれている点が非常に勉強になりました!

私も今後そういった部分をこれから磨いていきたいのですが、近田さんはどのようにその能力を身につけられたのですか?ご自身で勉強されたり、誰かに教わったのですか?

近田氏
いやいや、あえて何かを勉強したという事では無いよ。例えば目標が達成出来なかった時は、何が原因だったのかを常に考えているから。

その原因を追求していく過程で、「なぜ?」を自分の中で繰り返すようにしている。そうすることが自然と因数分解につながっていったんだと思うよ。

今ではこの「なぜ?」を考える思考回路が自分の中で完全に習慣になってるね。だからそういう思考が身に付いたのは、やっぱり「結果を残したい」と常に思っているからだと思うよ。

(秋貞)そうなんですね、ありがとうございます!勉強になります。

そう言えば先ほどのお話の中で「顧客感動」について伺いましたが、実際に私がサイバー・バズ在籍時、営業で「クライアントのためにならないなら、その案件は強引に受注すべきでは無い」と上司に言われたことを思い出しました。残り僅かで目標達成という状況でしたので、正直クライアントから無理やり受注をもらおうと思えば出来ないこともなかったのですが、当時の上司にそれを相談した際に止められたことがありました。

こうして改めて伺ってみると、顧客感動が組織に根付いていたんだなと思いました。

近田氏
それを言ったのは◯◯さん(当時の秋貞の上司)だよね?(笑)やっぱりビジョンを浸透させていくことがチームにとって大事だからね。

でも、秋貞がこの組織から起業という形で巣立っていき、頑張っているのはすごく嬉しい。これからも頑張ってな!

(秋貞)はい!また色々とお話を聞かせてください!本日はありがとうございました。

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(編集・執筆:サムライト)

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