仕事を円滑に進めるコツを発信していく「シゴトLOVERS」。
今回のテーマは、ビジネスにおいて避けて通れない「人付き合い」について。
例えば、人間関係について以下のような課題を抱えているビジネスパーソンの方が非常に多いのでは。
- 商談相手と気が合わない
- 上司の考えていることがどうも分からない
- どうしたら部下のやる気を引き出せるか悩ましい
これらを解決するためには、客観的な目線で自分と相手の性格や価値観の違いを理解すること、
つまり「自分を知り、相手を知る」ことが必要だと思われる。
そこで今回は、現在企業に対して効果的なコーチングを実践されているメンタルデザイナーの田中美咲氏に、
メンタルデザインという手法を用いた人間関係を円滑にするためのテクニックを伺った。
田中美咲
プランナー・メンタルデザイナー立命館大学を卒業後、新卒でサイバーエージェントに入社。ソーシャルゲームプランナーとして管轄MVP/ベストプロジェクト賞等を受賞。その後非営利団体に転職し、福島県庁との連携プロジェクトを立ち上げ、復興・防災のプロジェクトマネージャーを担当。現在フリーランスとして公益性の高い事業のプランニングと、コーチングを軸に活動している。
- 全米NLPコーチング協会認定マスター
- 全日本NLPコーチング協会認定マスター
- LABプロファイル認定プラクティショナー
まずはカウンセリングから
ここからは、実際にメンタルデザイナー田中氏のカウンセリングを、シゴトLOVERSを運営するジェネストリーム代表の秋貞が体験した様子をお届けする。

「ではまず、秋貞さんが仕事に対して大事にしていることって何ですか?」

「それは結果ですね。仕事をする上では結果を出すことを大事に考えています」

「なぜ結果を出したいんですか?」

「え、だって結果が出なければ仕事をやってないと一緒だと思うからですね」

「なぜ結果が出なければやってないと一緒だと思うのですか?」

「やっぱり仕事をする上で、目指している世界が実現できないと意味が無いと思うので」

「そうですか。ではなぜ結果が出ないと目指している世界が実現できないと思うのですか?」

「それは、、結果が伴わなければ、目指している世界へのステップを登っていないことになると思うので」

「自分で設定したステップを一つずつクリアして、結果を出すことが最終的なゴールにつながっていくと思うんです!」

「なるほど。。」

「。。。。」

「はい、分かりました。」

「もう秋貞さんのこと、どんな人か分かりましたよ。」

「。。。」

「えええっ!?」

「分かったって、こんな数分で一体俺の何が分かったって言うんですか!??」

3つの傾向が分かりましたよ!(笑)
秋貞さんは「目標達成型」「プロセス重視型」「内的基準型」ですね。

「何ですかそれ?詳しく教えてください!」
1.仕事の価値基準:目標達成型と問題解決型
以下、田中氏
まず、プロファイリングにおいて重要なのは価値基準。
大きく目標達成型と問題解決型に分かれるのですが、秋貞さんの場合は完全に目標達成型ですね。
目標達成型の人は、文字通り目の前に具体的な目標があるとやる気になる人。
対して問題解決型は、自分の中での基準において解決したい課題があると燃えるタイプの人です。
実際のビジネス現場に沿った例を挙げると、問題解決型の人に
「来月までにサービスの新規利用者を5,000人増やせ」
と指示をしてもモチベーションが上がらないんですね。
それよりも、
「来月までにサービスの新規利用者を5,000人増やさないと会社が潰れる可能性が出てくる」
と言った方が刺さるんです。
その人の使命感に訴えかけると、私が何とかしなければいけないと考えるので。
一方で目標達成型の人には、
「来月までにサービスの新規利用者を5,000人増やせば海外旅行に行かせてあげる」
と言った方がやる気になります。
ビジネスの組織においては両方の人が存在するので、それぞれのモチベーションを高めるような対応を心がけると円滑に仕事を進めやすくなります。
例えば経営者の方が社員の前でお話をされる際には、
「今期の目標は◯◯だ!絶対にやりきるぞ!」
と具体的な数値を挙げて目標達成型の人の心を掴んでから、
「これをやる理由なんだけど、それは〜が必要だから」
という形で、問題解決型の人の意欲も高めるような話し方をすると良いんですね。
秋貞
「たしかに自分は明確な目標があると燃えるタイプですね!」
2.目標達成の手段:ゴール重視型とプロセス重視型
以下、田中氏
次に目標を達成する手段として、ゴール重視型とプロセス重視型があります。
ゴール重視型は「とりあえずやってみよう」という考え方をする人。
このタイプは、仕事を自由にやらせて欲しいという気持ちが強いですね。
プロセス重視型の人は、目標までの道筋を把握した上で、順を追って取り組む傾向があります。
秋貞さんは先ほど、「目標へステップを一つずつクリアして」と仰っていたので、プロセス重視型の傾向が見てとれました。
例を挙げると、野球の教え方って日本とアメリカでは違うんですね。
日本ではバッティングフォームの基礎を教えて、打ち方を学んでから打席に立たせます。
逆にアメリカでは、とりあえず何も教えずに打たせてみるのです。
その後で、打ち方を自分で考えさせるという指導法を取っています。
ゴール重視型の人に細かく指示を出すと、やる気を失ってしまう場合がありますので気をつけた方が良いでしょう。
いきなりすごい成果を上げてくる可能性がある反面、放っておくと違う方向に進んでしまう場合もありますので、任せていると思わせながらも陰ではしっかりと行動をチェックしておくようなマネジメントが適していると思います。
まとめると、夏休みの宿題を先に片付けてしまっていた人はプロセス重視型、最終日までやらなかった人はゴール重視型ですね(笑)
秋貞
「そう言えば、自分は初日に宿題を片付けてました!」
3:モチベーションの源:内的基準型と外的基準型
そして、内的基準型と外的基準型。
これは非常に分かりやすいです。
他人に評価された方が嬉しいのか、それとも自分が満足した方が嬉しいのか、ですね。
秋貞さんはその話し振りから内的基準型だと感じました。
ビジネスにおいては、内的基準型の人に対して下手に褒めても仕方が無い訳ですね。
その人が満足する方向と組織やチームが目指す方向が一致すると非常に効果的ですが、それが一致しなければやる気を無くしてしまう危険性もあります。
外的基準の人には表彰制度などを設けたり、分かりやすく褒めたりすると意欲を高められます。
相手がどちらのタイプかは、まずは褒めた際の反応を見ることで知ることができると思いますので、うまく合わせて対応できると良いですね。
秋貞
「確かに。褒められても自分が納得してなければ嬉しくないですね。」
まとめ – タイプ別のアドバイス(掛け合わせ編)
秋貞
「それでは、教えて頂いた3つのタイプをそれぞれ掛け合わせた場合の特徴も分かるのですか?」
以下、田中氏
はい、分かりますよ!
掛け合わせると全部で8つですね。それぞれをまとめると以下のようになります。
相手を知る上で、まずはご自身がどのタイプに当てはまるかを考えて頂くと良いかと思います。
1.赤木主将(ゴリ)タイプ
「目標達成型」×「プロセス重視型」×「内的基準型」
これはどんな方かというと、目標を追いかけること自体が好きな人。まさに秋貞さんが該当します。
目標達成のために逆算をして、自分が納得する結果を出せたときに満足できるような方です。
ただ、自分ですべて解決しようとする傾向があるため、出来るだけ周囲を巻き込むようにしないと、組織の足並みが揃わなくなるので注意が必要です。
秋貞
「スラムダンクで言うとゴリですね。王者海南を倒すために弱小時代から頑張ってきたキャプテンですからね。」
2.福田吉兆タイプ
「目標達成型」×「プロセス重視型」×「外的基準型」
このタイプの方は、目標までのプロセスを着実にこなすことができ、かつ周りから賞賛されると喜びを感じる傾向があります。プロセスごとにしっかりと褒めてあげるとモチベーションが高まります。燃えつき症候群にならないよう継続的に目標を設定してあげることが必要です。
秋貞
「スラムダンクで言うと綾南の福田吉兆かな。もっと褒めてくれって震えてましたからね。」
3.流川タイプ
「目標達成型」×「ゴール重視型」×「内的基準型」
このタイプの方は、目標達成のためにとにかく行動すること、そして自分の満足する結果を出すことに喜びを感じる傾向があります。
ただ自ら進んで状況の共有をしない人が多く、細かいことを指示するとやる気を無くしますので、ある程度は任せないといけないですね。
その場合は目標に向かって走り出す前に、本人と組織の方向性が同じになるようにすべきでしょう。
秋貞
「スラムダンクで言うと流川ですね。我が道を行くというキャラですね。」
4.桜木花道タイプ
「目標達成型」×「ゴール重視型」×「外的基準型」
このタイプの方は、目標に対して考えるより動くことを重視し、外部から賞賛されると達成感を感じる傾向があります。
目標を達成すると評価されるという前提があれば、放っておいても頑張るタイプです。
放っておいて失敗したからと言って、次からは細かく指示を出すという形では無く、再度自由にやらせるチャンスを与えると伸びると思います。
秋貞
「スラムダンクなら桜木花道かな。晴子さんという目標ために頑張るし褒めて伸びるタイプですからね。」
5.小暮(メガネ君)タイプ
「問題解決型」×「プロセス重視型」×「内的基準型」
このタイプの方は、目の前の課題をどうやって解決するかということを重視し、自分が決めたことをこなしていく傾向があります。
例えばバックオフィス側の役割があてはまりますね。
今日ここまでやると決めて着実に進めるタイプの人なので、組織を守るポジションを任せるとマッチする傾向にあります。
秋貞
「スラムダンクで言うと完全にメガネ君。コツコツ頑張ってチームを支えてくれました。」
6.マネージャー(アヤコさん)タイプ
「問題解決型」×「プロセス重視型」×「外的基準型」
こちらは5のタイプと似ているのですが、外的基準型であるため、ちゃんと褒めてあげるようにします。
数字では表しづらい部分ですが、表彰などをすることで満足度を高めてあげると良いですね。
秋貞
「スラムダンクだとアヤコさんかな。。」
7.仙道タイプ
「問題解決型」×「ゴール重視型」×「内的基準型」
このタイプの方は、目の前にある問題を自分のやりたい方法で解決し、それが自分の納得できる物として仕上がった時に満足を感じる傾向があります。
アーティスト型とも言えます。デザイナー等に多いですね。
自分が満足できるモノを好きな様に作ることが大事なので、細かく指示するとイラッとされます。
秋貞
「スラムダンクだと仙道ですね。まだあわてる時間じゃない。」
8.宮城リョータタイプ
「問題解決型」×「ゴール重視型」×「外的基準型」
このタイプの方は、問題を提示されるとやる気がでて、工夫しながら進んでいきます。そしてその結果が周囲から評価されると満足を感じる傾向があります。
例えば代理店のプランナーに多いタイプかもしれません。7.に近いですが、自分の作品や成果をちゃんと評価されることに喜びを感じます。この場合は、求められていることとやりたいことが一致していないと力を発揮できないので注意ですね。
秋貞
「スラムダンクで言えば宮城リョータが近いかな。」
田中氏
「・・秋貞さん、私スラムダンクよくわかりません。」
秋貞
「・・まあ、そうですよね。。」
秋貞
「それはさておき、とても勉強になりました!それぞれ自分がどのタイプに当てはまるのか、そして仕事相手がどのタイプなのかを見極めてから行動するようにしたいと思います!」
(編集・執筆:サムライト)